第一種 衛生管理者(国家試験)受験者のためのまとめ⑨

【恒常性】

〇恒常性 … 生物は生体に起きるさまざまな変動を元に戻そうとするシステムをもち、一定の状態を保つ能力があると考えられていて、この定常状態を恒常性(homeostasis:ホメオスタシス)という。内分泌がこのような調節を担っていて、ホルモンを直接血液中に放出する。

〇ホルモンの働き … ホルモンは化学物質で多種あるが、例えばインスリンは食事中に血糖値が上がると膵臓のβ細胞がこれを察知し、血液中に分泌される。血糖が全身の臓器に届くと、インスリンの働きによって臓器は血糖を取り込み、エネルギーとして使ったり貯えたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進する。つまり増加した血糖はインスリンによって一定量を保つことで恒常性を維持している。

ホルモンの種類

分泌物質内分泌器官働き
メラトニン松果体睡眠と覚醒のリズムの調整
ノルアドレナリン副腎髄質血圧上昇、血管収縮
アドレナリン血糖上昇、心拍数の増加
コルチゾール副腎皮質グリコーゲン合成促進(血糖上昇)
アルドステロン血中の塩基バランス調節
インスリン膵臓血糖量の低下
グルカゴン血糖量の上昇

【免疫】

生体防御 … 病原体(細菌やウィルス等)の体内への侵入を防いだり、侵入した病原体や異物を排除したりする仕組み。

免疫 … 病原体が生体防御を破って体内に侵入したときに白血球などが病原体を排除しようとするシステム。

〇自然免疫 … 生まれつき備わっている免疫。

〇獲得免疫 … 特異免疫ともいう。リンパ球が産生する抗体(免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質)が働いて抗原を排除する体液性免疫と、リンパ球が直接働いて抗原を排除する細胞性免疫がある。

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